よくある質問 I FAQ

法律問題の
ご質問とアドバイス

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離婚問題について

Q

改正法施行前に単独親権者となって離婚した後、再婚相手と子どもが養子縁組した場合、改正法施行後に親権者変更されることはありますか。

A

今後の法解釈に委ねられ不明ですが、親権者変更申立ては可能という解釈になる可能性は十分あります。

離婚時に親権者と定められた母が再婚し、再婚相手と子が養子縁組をした場合(いわゆる「連れ子養子」)、子は養親とその配偶者たる実母の共同親権に服することになります。
そして、現行法の解釈としては、このような場合には、もはや実父からは親権者変更の申立て自体ができないこととされていました(最高裁2014年4月14日決定)。
もっとも、その理由は、(1)現行民法819条6項の親権者変更の定めは、1から5項における単独の親権者であることを前提とした定めであること、(2)条文上も「親権者を他の一方に変更する」という文理からすれば、親権者となることができる者が2人いることを前提にあくまでその一方から「他の一方」への変更を認めるものであり、実親と養親の共同親権に服している場合を予定していないと読み取るのが素直であることが挙げられています。
これに対して、(1)新民法819条では離婚後共同親権もあり得る定めとなり、(2)親権者変更の定めとしても、「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子又はその親族の請求によって、親権者を変更することができる。」というものとなり、「一方」「他方」といった表現はなくなったので、文言上は様々な変更が可能となったと読み取ることができます。
したがって、少なくとも旧法の解釈の根拠を失っており、実母と再婚相手たる養父との共同親権である場合にも、養父から実父への親権者変更(実母と実父の共同親権への変更)を求めること自体は可能になるように読み取れます。

*記事掲載時(2024年5月31日)で把握できている情報に基づく内容であり、その後の動向で記事内容が不適当になっていることがあり得ます。
*法改正に賛成・反対の立場から記事を掲載するものではなく、なるべく客観的に法改正の内容及びその影響として予測される事項を説明する趣旨です。ただし、判例・法令で明確になっていない事項も多いため、今後の推移を見ないと判断しづらい事項も多々あります。