よくある質問 I FAQ

法律問題の
ご質問とアドバイス

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離婚問題について

Q

離婚後「共同親権」導入による法改正で、離婚に伴う親権者の扱いにどのような変化がありますか。

A

これまでは離婚と同時に父母の一方を単独で親権者と定めることになっていましたが、一方又は双方を親権者と定める扱いになりました。また、親権者指定は後で家庭裁判所の決定に委ねることにして、ひとまず協議離婚だけすることも可能になりました。

2024年5月に、「離婚後共同親権法案」などと呼ばれる法改正が制定されました。改正法は法改正成立から2年以内に施行されることになっており、2026年に施行されると見込まれます。
これによる影響は未だ不確定な部分が多いですが、可能な範囲で解説します。

現行法では、協議離婚にせよ裁判離婚にせよ、離婚をするときに父母の一方を親権者と定めることとなっています(現行民法819条1項2項)。
改正法では、父母の「双方又は一方」を親権者と定めることになっているので、共同親権と定めることも、父母の一方と定めることも可能となります(新民法819条1項2項)。

また、現行法では協議離婚の場合も、親権者の指定をしなければ離婚の届出ができません(現行民法765条)。
改正法では、親権者の定め(双方又は一方)をして届け出ることもできますが、家庭裁判所に親権者指定を申し立てていれば、親権者の定めをすることなく離婚の届出をすることができます(新民法765条)。後者の場合には、家庭裁判所が新たに親権者の指定をするまでは共同親権が続くことになります。

*記事掲載時(2024年5月31日)で把握できている情報に基づく内容であり、その後の動向で記事内容が不適当になっていることがあり得ます。
*法改正に賛成・反対の立場から記事を掲載するものではなく、なるべく客観的に法改正の内容及びその影響として予測される事項を説明する趣旨です。ただし、判例・法令で明確になっていない事項も多いため、今後の推移を見ないと判断しづらい事項も多々あります。