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合意分割の按分割合は、どのように決まりますか
裁判所が決める場合は、極めて例外的なケースを除いて半々に分割されます。
合意分割では、「按分割合」を決めて分割することになります。
「按分割合」とは、単純化して言えば、夫婦合計の標準報酬額に対する、分割を請求する側の標準報酬額の割合です。つまり、これが0.5なら、双方の婚姻期間中の保険料納付記録は完全に半々に分けられることになります。
この按分割合は、法律上は、「当該対象期間における保険料納付に対する当事者の寄与の程度その他一切の事情を考慮して」定めることになっています。
しかし、この按分割合は、裁判所が決める場合は、極めて例外的なケースを除いて、0.5になります。
たとえば、「厚生年金保険・国民年金事業年報」(厚生労働省)によれば、2016年度に年金分割された事例のうち、按分割合が50%だったものが97%、0.4~0.5が1.7%、0.3~0.4が0.9%、0.2~0.3が0.3%となっています。
これは当事者が合意して分割したものも含んでいるので0.5未満の分割も若干見られますが、そうであっても0.5(半々)が圧倒的多数だということが分かります。
2020年度司法統計年報家事事件編第37表では、年金分割申立事件のうち、審判では按分割合を0.5としたものが99.37%です(1591件中1581件)。わずかな例外の理由は不明ですが、よほど特殊なケースか、あるいは、実質は当事者間に0.5未満とする合意がある場合の合意に相当する審判が含まれている可能性もあります。