よくある質問 I FAQ

法律問題の
ご質問とアドバイス

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離婚問題について

Q

財産分与で分ける財産を確定する基準時はどのように決まりますか。単身赴任で別居していた場合は、単身赴任になった時点が基準時になりますか。

A

基本的には「別居」時点が基準時となりますが、これは夫婦の経済的協力関係が終了した時点を基準とするためです。単身赴任を開始しても、夫婦の経済的協力関係が終了したとは言えないので、通常はその時点にはなりません。

1 基本的な考え方
財産分与の基準時は、あくまで、夫婦で協力して形成された財産を確定するための基準となる時点を決めるためのものです。したがって、物理的に同居しているかどうかが問題なのではなく、夫婦の経済的協力関係が終了していたかどうかが重要です。
それまで同居していた夫婦であれば、別居した時点で経済的協力関係が失われるので別居時点を基準とするのが通常です。
別居日などが明確でない場合は、当事者が合意すれば、これが明らかに不合理でなければ、裁判所が決定する場合も、その合意した時点によることになります。

2 単身赴任の場合
単身赴任の場合は物理的に同居はしていませんが、通常は、一方が他方に送金するなどして経済的協力関係があるので、単身赴任になった時点を基準時と扱うことにはなりません。
単身赴任中に夫婦関係が悪くなって離婚を求めるように至った場合は、夫婦の経済的協力関係が終了した時点を基準時とするという趣旨からすれば、当事者が離婚を申し出た日、自宅に残っていた妻が自宅から出た日、単身赴任をしていた夫が最後に自宅を出た日、海外赴任先から帰国した後も同居しなかった場合は帰国日、単身赴任中の夫が送金を打ち切ると告げた日などが基準になると思われます。

3 家庭内別居の場合
家庭内別居状態で離婚の手続が進むことも時にはあります。
この場合も、夫婦の経済的協力関係が終了した時点を基準時とするという趣旨からすれば、一方が離婚を申し出て生活費も渡さなくなり、炊事・洗濯等も別々にするようになったようなケースであれば、渡さなくなった時点をもって基準時とすることになります。