よくある質問 I FAQ

法律問題の
ご質問とアドバイス

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離婚問題について

Q

先に離婚して、後から慰謝料や財産分与の請求をすることができますか

A

可能ですが、それぞれの時効に注意する必要があります。また、手続が面倒になる場合もあります。今後お互いに金銭請求をしないといった条件を付けて離婚してしまうと、金銭請求はできなくなります。

1 財産分与・養育費・慰謝料請求・年金分割の請求の手続と注意点
(1) 後から請求することは可能
 財産分与・養育費・慰謝料請求・年金分割の請求は、離婚した後からすることも可能です。
 調停離婚・裁判離婚では、可能な請求は併せて行い解決することが多いですが、十分に条件を決めないまま協議離婚してしまった場合などは、後からでも請求して構いません。
(2) 「清算条項」に注意
 もちろん、調停離婚・裁判離婚した場合でも後から他の請求をすることは可能です。ただし、調停や和解で離婚した場合には、「今後お互いに金銭請求をしない」といった清算条項(清算条項)を付けて合意するのが一般的です。このような条項で合意をすると、財産分与・慰謝料については、後から請求できなくなる場合があります。
(3) 後から請求する場合の手続
 後から請求する場合は、慰謝料請求は簡易裁判所・地方裁判所の民事訴訟として、養育費・財産分与・年金分割の請求は家庭裁判所の調停・審判の手続で行うことになります。場合によっては複数の手続を別個に進めなければならないことになり、負担がかかります。

2 財産分与・養育費・慰謝料請求・年金分割請求の期間制限等
 以下のとおり、離婚してから手続をするには期間制限等があります。
 財産分与 離婚してから2年間(民法768条2項)
 慰謝料請求 配偶者の有責行為によって離婚に至った場合は、離婚してから3年間(民法724条1号)
 離婚原因とならない不法行為による慰謝料は、離婚してから6か月(民法159条)
 養育費 請求する以前の期間の分は請求できなくなる可能性が高い
 年金分割 離婚してから2年間(厚生年金保険法78条の2第1項)

3 一般には請求を後回しにするメリットは乏しい
 こうした点を考えると、一般には、後から請求するのはメリットが乏しいと言えます。