よくある質問 I FAQ

法律問題の
ご質問とアドバイス

以下の問題について、ご質問とアドバイスです。
カテゴリー別での表示の切り替えができます。
ボタンの上でクリックしてください。

労働問題について

Q

給与減額の同意書に署名押印してしまいましたが、もはや争うことはできませんか。

A

同意書に署名押印しても直ちに同意があったとは言えず、争う余地はあります。

このように労働条件の不利益変更に対する同意書に署名押印しても、当然に有効な同意があったとは限りません。
最高裁判決でも、「就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者の同意の有無」について、「当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく、当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容および程度、労働者により当該行為がされるに至った経緯およびその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供または説明の内容等に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも、判断されるべきである」と判断されています(最高裁2016年2月19日判決等)。
したがって、同意書に署名押印したからと言って直ちに争えなくなるとは限りません。争うのであれば、できるだけ速やかに弁護士や労働組合に相談して、「自由な意思の署名押印ではなかったから無効だ」と通知した方がいいでしょう。